『鶴見俊輔伝』に土居光知『基礎日本語』の概要が紹介されているようです
みなさま、こんにちは。
のどか日越クラブです。
昨年(2018年)出版された『鶴見俊輔伝』という本を読みました。
下記のURLに書籍の紹介があります。
https://www.shinchosha.co.jp/book/444409/
その本を通じて1933年に土井光知氏という英文学者が『基礎日本語』という著作を出していたことを知りました。
『鶴見俊輔伝』には、黒川氏による土居光知『基礎日本語』の概要が紹介されています。その一部を引用します。
戦前に土居が著した『基礎日本語』は、むろんオグデンらのベイシック・イングリッシュに触発されてなされた仕事で、一千語の日本語を選んで編まれている。朝鮮・台湾・さらに満州といった植民地で現地人子弟への日本語教育の如何が議論されている時代であり、彼らと直接会話ができるようになるうえでの一助ともなれば、ということも、この試みの一つであると、土井は『基礎日本語』の「端書き」で述べる。
黒川氏は、土居光知『基礎日本語』に関して、『さらには、煩雑な感じ私用の負担軽減も、基礎日本語の目的の一つなので、これについてはローマ字表記を採用するのも一案であるとした。そのためにも、同音で意味が違う言葉は避けて、聞いてわかる言葉づかいにしていかなくてはならない』とも書かれているようです。
最近注目されている「やさしい日本語」と土井氏が提唱された「基礎日本語」は関係があるのでしょうか。そのようなことも気になりました。
なお、新潮社の『鶴見俊輔伝』のページ
https://www.shinchosha.co.jp/book/444409/
には、高橋源一郎氏による味わい深い文章が載せられています。2019年1月17日の朝日新聞の記事
https://www.asahi.com/articles/DA3S13851778.html
高橋源一郎の「歩きながら、考える」)収容所の外国人、完了のない支配
でも、高橋氏は『鶴見俊輔伝』に触れつつ鶴見氏が発刊した「朝鮮人」という雑誌のことに言及しているようです。
当エントリーをお読みいただき、ありがとうございました。お読みいただいた方々のご参考になれば幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。