のどか日越クラブ Nodoka Việt Nhật

日本国内でベトナム人労働者層に日本語を教えるための情報交換や意見交換、調査、研修を行うコミュニケーション・スペースをつくってみようと考え、このアカウントをつくりました。日本国内でベトナム語も適宜活用しつつ日本語を教える方法やベトナム人労働者層向きの教材調査・研究も手掛けたいと思っています。よろしくお願いいたします。

助詞の「へ」と「に」、「~へ行く」と「~に行く」というときの使い分け

 みなさま、こんにちは。

 のどか日越クラブです。

 放送大学の「日本語リテラシー」という授業科目があります。先日、その授業の第10回の再放送の録画を視聴しました。

(2019年3月15日追記、2019年度にも開講されるようです。下記のURLに授業のシラバスがあります)。

https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do

日本語リテラシー(’16) Literacy in Japanese ('16) 主任講師名:滝浦 真人(放送大学教授)

 その「日本語リテラシー」の「第10回 考えるスキル②:言えることと言えないこと」では、「~へ行く」と「~に行く」というときなどに使う助詞の「へ」と「に」の使い分けについて説明がありました。

 助詞の「へ」と「に」は同じように使える場合もあるのですが、「へ」は動作の方向を表す一方で「に」は動作の到達点を表す、言い換えると、「へ」は未接触の状態を表し「に」は接触している状態を表す傾向があるとのことのようです。「に」だと自然で「へ」だと不自然な例として、「ヨーロッパに到着する」は自然に聞こえるが、「へ」はそちらのほうに向かっているがまだその地点に触れていないという状態を示すため、「ヨーロッパへ到着する」という言い方は(やや)不自然に聞こえるのだ、というような解説があり、勉強になりました。 

 講師の滝浦氏のお話によると、現在の日本ではどちらでも使えるような場合「へ」より「に」のほうがよく使われている、とのことのようです。

 ご参考までに、以前ご紹介した『みんなの日本語』という日本語教科書(の第5課)は、「に」ではなく「へ」が使われているようです。

 当エントリーをお読みいただき、ありがとうございました。お読みいただいた方々のご参考になれば幸いです。

 今後ともよろしくお願いいたします。